Copyrighted:僕らとキン肉マンの25年

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オリジナル: ゆでたまご「ゆでたまごロングインタビュー!! 僕らとキン肉マンの25年」『キン肉マンII世 29』集英社〈スーパー・プレイボーイ・コミックス〉2005年8月24日、ISBN 978-4-08-857450-9、188-193頁。(2004年7月『キン肉マン&II世激闘列伝』収録のものの再録)

[P 188]

キン肉マン生誕25周年!…ということで、生みの親・ゆでたまご先生も、漫画家生活25周年を迎えました。牛丼をかきこみ、火事場のクソ力を燃やしながら、キン肉マンと共に歩んだ四半世紀…作者自らが今、振り返る!!

画像: 子供時代のゆでたまご、串カツ屋にて。

大阪の串カツ屋にて、串を落として勘定をごまかす幼き日の嶋田&中井少年(マネしてはいけません)。

お二人が初めて出会った時のお互いの印象は?

中井義則(以下「中井」)僕は小学4年の時、相棒の小学校に転校したんです。それで、体力測定でソフトボール投げがあったんですが、めちゃめちゃボールを投げられないヤツがおるんですよ。「こんなにボール投げられない人がおんの!?」っていう、それが最初の印象(笑)。

嶋田隆司(以下「嶋田」)球技はアカンね。笑われたがる性格だから、まわりはみんなギャグだと思ってたけど、僕は真剣やったね(笑)。そんなある日、近所の祭りで神輿担ぎがあったんですよ。神輿を担いだら、アルバイト料で500円ぐらいもらえるんですよ。僕は担がず、部屋の窓からずーっと見てたら、相棒がすごい一生懸命担いでて。ああ、お金欲しいんやなーって(笑)。

スポーツといえば、おふたりとも格闘技好きですが、プロレスごっこなんかはしてましたか?

嶋田: プロレスごっこは中学の時からかな?やっぱりテリー・ファンクとか、ブッチャーとかが出てきた頃からですね。み

[P 189]

んな地獄突きとかやって。球技はダメでも、組み技系は得意でした。

おふたりで遊びに行った思い出は?

嶋田: よう行ったのは映画ですね。怪獣映画はよく行ったな。

中井: あと、本屋に一日中いるんですよ。

嶋田: 旭屋書店とか紀伊國屋書店とかな。その当時は、今みたいにコミックスは売ってないですけどね。

中井: けっこう生意気にね、文学作品とか手に取ったりしてね(笑)。

嶋田: 何かうまいもん食べて、本屋行って。お金もないし、時間つぶしにはもってこいの場所でした。

おふたりの思い出の味なんてありますか?

嶋田: 子供の頃からグルメでしたよ、僕らは。学校の帰りでも、みんなはお好み焼きとかたこ焼きとか食ってたのが、中華料理

[P 190]

を食いに行ってたもんな(笑)。ませた子供やったな。

中井: 相棒はすごいグルメなんですよ。僕なんか全然、えせグルメですからね。ただ相棒の場合は、もっと魚介類を食べないとダメ(笑)。

嶋田: 中井クンは、親からいっぱいお小遣いをもらってた。土曜になると、親から500円をもらって、お好み焼きとかおごってくれるんですよ。

中井: えっ、僕がお金を出してたの?(笑)うちは貧乏やったのになあ。

安くておいしい大阪のグルメというと、他にはどんなものが…?

嶋田: まだまだ東京の人が知らないものがあるからね。うどんとかたこ焼きとか知ってても、串カツとかは知らない。キン肉マンで描いてますけど。

中井: 串カツは、食べた串の本数でお勘定するんですよ。相棒なんか、「串を床に落とせ落とせ」って、勘定をごまかしてました(笑)。

画像: ゆでたまご写真。

嶋田先生と中井先生の打合せ風景。25年間続いた鉄壁のコンビネーションだ!

そういえば、キン肉マンはなんで牛丼好きなんでしょう?

嶋田: キン肉マンの読切の2話の扉に、中井クンが「好きな食べ物: 牛丼」って書いたんですよ。あ、これ面白いなー、って思って。関西でも牛丼はあったんですけど、子供が食べるようなポピュラーなものじゃなかったですね。これは絶対に流行らせようと。

中学の頃はもう、おふたりで漫画を?

嶋田: そうですね。僕がノートに書いた漫画をクラスに回覧してたんですよ。中井クンはあまり漫画を見たことがなかったらしくて、初めて笑った漫画が、僕がノートに書いてた『キン肉マン』だったみたいで。

中井: テレビのアニメは見てましたけど、漫画はあまり見たことがなかったですね。相棒の漫画を見て、「漫画って面白いもんだな」って。

[P 191]

「キン肉マン」というキャラクターは、嶋田先生自身がモデルとも聞きますけど…?

嶋田: 願望もありますよね。キン肉マンは人見知りしないですから。ひとんちにダーッと上がりこんで、冷蔵庫を勝手に開けそうなやつじゃないですか。僕らはそういう性格と違うんで。こんな友達がいたらいいな、なんて。

なるほど。ところで、初恋のエピソードなんかは…?

中井: 相棒はね、「初恋なんてないですから」って言うんですよ(笑)。仲間同士で「順番に好きな人の名前をあげていこう」っていっても、いつも最後なんですよ。最後になんて言うのかなって思ったら、「オレは漫画や」って(笑)。誰が好きだったっていうのは聞いたことがないですよ。僕はだいたいしゃべってしまうんですよね。

嶋田: 中井クンはホレっぽいから。いつも僕が応援してな、好きな子の家までついてって。

ちなみに、好みの女性のタイプは?

嶋田: 似てるようで違うね。女の子を取り合ったこともないしね。

中井: 共通しているところは、ちょっと野性的なところですね。

嶋田: WWEのステーシートか。あと熟女やな(笑)。

中井: 川奈まり子さんには会いたいな。

週刊少年ジャンプ」で連載を始めた頃は、どんな気持ちでしたか?

嶋田: やっぱりちょっと不安でしたね。就職したほうがいいんちゃうかって。

中井: まわりから「そんなもので飯が食えるのか」って、よく言われましたからね。

嶋田: 当時の編集長の西村繁男さんが、「もし漫画がダメだったら、就職を世話する」って約束してくださって。就職の世話まで約束させて、漫画家になるやつも珍しいよね。

中井: そうだよね。わざわざ向こうから大

[P 192]

阪に出向いてくれて、東京で住むアパートから全部用意してくれてね。でも、僕なんか3年ぐらい、集英社に当時あった執筆室にほとんど住んでたようなものでしたから(笑)。

嶋田: 編集者の人が執筆室にエロ本を置いてって。エロ本置き場みたいになってた。

中井: そうそう。僕のカバンにエロ本を隠す人が入るんですよ(笑)。

嶋田: みんな恥ずかしいから執筆室に置いてって。

画像: トップレス牛丼屋の万太郎。

14歳なのに、トップレス牛丼屋でウハウハ状態の万太郎。初代で果たせなかった夢をII世で実現!?

キン肉マンII世』を「週刊プレイボーイ」で始めるにあたって、どんな思いがありましたか?

嶋田: 最初は「青年誌で描けるのかな?」とすごい不安でしたね。いくらジャンプ連載当時の読者が大人になってるといっても…「本当のキン肉マンファンは読んでくれるのかな?」って。

中井: 僕が一番不安だったのが、どれだけ時間がかかるか、見通しが立たなかったことですね。週刊のペースに戻せるかな、という心配はありましたね。

嶋田: やってみたら、読者はちゃんとついてきてくれましたし。載る雑誌がどこでも関係ないんやな、と思いました。

エッチなシーンも増えた気がしますが…。

嶋田: それは昔のジャンプでやりたかったことですね。意識的にお色気シーンを出してるのは、もともとこういうギャグが好きだったんです。当時から「キン肉マンがキャバクラに行ったら面白いやろな」とか、そういう話はしてたもんな(笑)。

画像: ペン入れ中の中井。

下書き原稿にペンを入れる中井先生。このペンから、膨大な超人が描き出された!

バイオレンス描写も…。

嶋田: ラーメンマンブロッケンマンの試合とか、昔からグロテスクなところあるもんな。それを読んでた読者をまた驚かすには、バイオレンスにやらないと。

25年間ずっとおふたりで描かれてきたわけですが、お互いをひと言で言うと?

嶋田: 中井クンは仕事に対してはマジメですね。仕事熱心で、原稿も落とさない。

[P 193]

中井: 相棒はとにかく、漫画のことはムチャクチャ詳しいですね。知恵袋的な存在です。あと社交的なところも…僕は出不精なんで、人付き合いが面倒くさいんですよ。相棒は正反対で、うらやましいですね。

嶋田: 通じる部分もありますけどね。両方とも正直なところは似てますね。

「これだけは何とかしてほしい」なんてこともありますか?

嶋田: 中井クンはウ○コが臭いですね(笑)。

中井: 相棒は必ず言うんですよ、「俺のウ○コは臭くないよ。嗅いでみ?」って(笑)。

嶋田: 僕のは絶対臭くないもの。

中井: ウチの仕事場にくると、必ずトイレの匂いを嗅いで「ウ○コしたやろ?」「うん、したよ」「くっさいなあ、もう」って。40過ぎのおっさんの会話じゃないですよね(笑)。

漫画のお仕事以外に、何かこれからやってみたいこと、実現したい夢はありますか?

中井: 制作費を100億円ぐらいかけた実写版の映画を作って欲しいですね。

嶋田: 『スパイダーマン』みたいな。でも、作るとしたらCGじゃないですかね。あと、ジャンプの連載当時の読者だった、いま20代から30代の大人の鑑賞に耐えうるアニメ。やってないエピソードがありますから。例えばキン肉マンとテリーマンが1回だけ闘ったあのエピソードを、ビシッとやってほしいですね。

画像: キン肉マン対テリーマン。

「キン肉マンVSテリーマン」のひとコマ。このエピソードをアニメで、実写映画で…観たい!

25年間、キン肉マンがここまで長続きした秘訣はなんでしょう?

嶋田: ふたりやから、励まし合いながら25年、ここまでやってこれた。

中井: ひとりでやってたとしたら、こんなに続けられなかったんじゃないですかね。

嶋田: 25年間、応援してくれた読者にすごく感謝しています。悪魔の種子編が一段落しましたが、アシュラマン万太郎の対決は、本当に魂を込めて描きましたんで、ドーッと疲れました。次のシリーズはもっと派手なやつをやろうと思ってますんで、期待しててください。

25年の思い出は、とてもここでは語り尽くせないほど。これからも両先生は、週プレ誌上で万太郎の活躍を描き続けます。いよいよ幕を開ける『究極の超人タッグ編』をお楽しみに!!
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