Copyrighted:サンシャイン特別インタビュー「激闘回顧録」

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オリジナル: 「サンシャイン特別インタビュー「激闘回顧録」」『キン肉マン 黄金のマスク編 (3)』集英社〈集英社ジャンプリミックス 〉、2002年2月4日、ISBN 978-4-08-905059-0、184-187頁。

[P 184]

荒くれファイターとして数々の超人たち血祭りに挙げ、この巻でも極悪ぶりを見せつけたサンシャイン。その試合の多くが反則負けのため、タイトル奪取の経験はないが、残虐極まりないファイトで今もその名が語り継がれている。ここでは、そのサンシャインにインタビューを試みてみた。

――まずは、あなたの超人としてデビュー当時の話を聞かせてください。

「オレ様のデビュー戦は無効試合(ノーコンテスト)だったよ。ジェロニモに敗れるまで、ほとんどが無効試合か反則負けだった。あの頃は力を持て余していたこともあったが、相手を完膚なきまでに痛めつけることがオレ様の信条だからな。悪魔超人同士の試合でも、オレ様の反則の酷さにレフリーがいつも止めに入ってきたものだ(笑)」

画像: 悪魔超人の集合写真

サンシャインにとって心の拠り所であった悪魔超人軍団。悪魔六騎士の地位は、タイトルに縁のない彼にとっては、己の実力を示す唯一の証であったのかもしれない。

――その残虐性が悪魔将軍に認められて、六騎士の一人に選ばれたのですね。

「オレ様はアシュラマンのように悪魔超人界の名門一族の出身ではない。そんなヤツが、どうしたら悪魔超人界の中で早く出世出来るか。普通に考えれば勝利を収めていくことが最短の道筋だろうが、それよりも早く出世出来る方法を思いついたのさ」

――それがデビュー以来の試合結果なのですね。

「観客全てが魔界の住人なんだ。普通に勝利しただけでは満足しない。観客が喜ぶ

[P 185]

ように相手を残虐に痛めつける。観客はオレ様の試合を喜んでくれる。そうするうちに世間の注目が集まりだす。それを聞きつけた悪魔将軍様が、オレ様の試合をご観覧になったのだ。試合後のロッカールームに来ていただいた時は本当に緊張したものだ。その時に、オレ様を六騎士の一人に任命して下さったのだ。もちろん、その試合も反則負けだったがな(笑)」

ジェロニモの登場は計算外だった。

――さて、悪魔超人たちが倒されたあと、あなたたち六騎士が地球にやって来られたわけですね。

画像: 日輪マークを掴むジェロニモ

対ジェロニモ戦。思わぬ苦戦を強いられ、痛恨の敗北を喫している。この闘いのことは、今でも忘れられないという。

「連中はただの兵隊に過ぎなかったからな。キン肉マンたちに倒されることは計算のうちさ。バッファローマンたちと闘った直後で、疲れきった正義超人たち。しかも黄金マスクこと悪魔将軍様によって、正義超人たちのパワーを吸い取ってもらう。そこで我々悪魔超人が闘いを挑む。普段の半分もパワーを発揮出来ない正義超人たちから、完璧な勝利を収める。まさに完璧な作戦だったよ」

――その作戦を考えたのはどなただったのですか?

「オレ様とアシュラマンが発案した」

――しかし、結果としてあなた方は負けてしまった。

「計算外のことが起こった。当時はまだ超人として半人前だったジェロニモの登場だ」

画像: アシュラマン

アシュラマンはサンシャインにとって特別な存在であり、悪魔将軍が敗れた後も行動を共にしている。第1回宇宙超人タッグトーナメントには、はぐれ悪魔超人コンビを結成し、スペシャルマン&カナディアンマンを瞬殺して、強制的に参加している。

――ジェロニモとの対戦についてお聞かせください。

「ジェロニモのことは全くノーマークだった。対戦前、オレ様は必ず相手のデータをチェックする。より完璧に相手を叩き潰すためにな。だが、我々悪魔超人が持っていた正義超人に関するどの資料にもヤツのことは載ってなかった。対戦した当初は、オレ様なりに注意してジェロニモに探りを入れたのだ」

――しかし結果として負けてしまった。その敗因はどこにあったのでしょう。

「当時のジェロニモは、超人としては半人前だったからな。いつでも試合を決めることが出来ると思っていた。変身技を多く

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変幻自在のボディー!

サンシャインの実力の凄味は、その巨体を活かしたパワー殺法に加え、自身の体を自在に変化させることにある。変化したボディーを使った拷問技は、これまで多くの超人を血の海に沈めてきた。

画像: 各種の変身技。地獄の凱旋門、地獄のコマ、地獄のピラミッド

繰り出したのも、そんな考えから生まれたものだ。そこをジェロニモにつけ込まれた。試合に負けて悔しいと思ったのはあれが初めてだ」

――では、タッグ戦で勝利した時はさぞ嬉しかったことでしょう。

「確かに嬉しかった。オレ様はヤツにリベンジするために肉体改造までしたんだからな。だが、ジェロニモに勝利したことに何時までも浸ることはなかった。すぐに次の試合でどうやって勝つかを考えていたのだ。勝利への飢えというやつだろうな。ジェロニモ戦後、オレ様の心にはそんな気持ちが芽生えたのだ」

サンシャインが語る他の六騎士。

――あなたから見た他の六騎士についてお聞きしたいのですが。

ジャンクマンとのスパーリングは、いつも命がけだった。見ての通り、アイツは打撃専門だからな。スパーリングをする度に身体を穴だらけにされたものだ(笑)」

――同じように変身能力を持つスニゲーターはどうでしたか?

「アイツとは一度、冗談で変身出来る数を競いあったことがある。数の多さでは負けてしまったが、変身のクオリティーの高さではオレ様の勝ちということで、引き分けに終わったがな(笑)」

画像: アシュラマンを呪いのローラーから救う

対マッスルブラザーズ戦において、はぐれ悪魔超人コンビは友情に目覚め、無念の敗退を味わう。しかし、この試合をサンシャインの名勝負とする超人ファンは少なくない。

――プラネットマンはどうでしたか?

「プラネットマンは、身体の線が細いながらも身体の特徴を活かしていた超人だ。オレ様は見ての通りの身体だからな、あまりにファイトスタイルが違うのであまり話すことはなかったな。ヤツは六騎士でも下っ端の方だったから、上下関係をしっかりさせる意味もあったのだがな。」

――ザ・ニンジャも技巧派であったと思うのですが。

「ニンジャは良いヤツだ。名門の忍者一族

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画像: サンシャインの元を去るアシュラマン

友情に目覚めたことでアシュラマンは正義超人のもとに走ってしまい、サンシャインは一人悪魔超人の血脈を守り続けることになる。

でありながら、それを鼻にかけたことは一度もない。オレたち六騎士がアイツによる対戦相手の情報収集によって救われたことは多い。正義超人に関する情報も、ジェロニモ以外は完璧だった。その情報をアシュラマンと二人で分析したのだ」

――アシュラマンとは仲が良いですね。

「六騎士の中でオレ様とアシュラマンは、悪魔将軍のブレーン的な存在だったのさ。初めは同じ知性派同士ということで多少の親交はあったのだが、アイツは知っての通り魔界のプリンス。帝王学の中で学んだ様々なことをオレ様に教えてくれた。反対にオレ様は実戦の中で培った知識を教えていったのだ。そうこうしているうちに自然と仲良くなっていった。肉体改造もあいつのアドバイスによって決心したんだ」

――それでは、彼が正義超人になってしまった時は悲しかったことでしょう。

「どんな悪行を行っていようと悪魔超人にも友情は存在するんだ。アシュラマンとは親友だと思っていたんだが……。まさか、その友情が彼を正義超人に走らせるきっかけとなってしまうとは思いもしなかった(苦笑)」

画像: 老サンシャイン

そして、現在のサンシャインの姿。精緻な戦略家として変貌を遂げ、静かにインタビューに応じてくれた。

――では、現在のご自身の活動についてお聞かせいただけますか。

「今は悪魔超人界の再興を目指して新しい悪魔超人たちのスカウティングと指導を行っている。なにぶんオレ様の世代の悪魔超人が少ないのでな。人手不足で一人何役もしなくてはいけないから大変だ」

――苦労されていますね。

「老体に鞭打ちながらなんとかこなしている。大変だけど、若手が育っていくのを見ていくのは楽しくてな。なかなか辞められないでいるだけだ(苦笑)」


全盛期に比べて大幅にウェイトダウンしたその姿が、その後の彼の人生が苦難の連続であったことを示している。だが、その鋭い眼光はいささかも衰えておらず、悪魔超人の復興にかける執念の深さを感じさせる。彼の手腕が再び正義超人に脅威を与える日も近いかも知れない。(了)

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