Copyrighted:バッファローマン特別インタビュー「激闘回顧録」
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オリジナル: 「バッファローマン特別インタビュー「激闘回顧録」」『キン肉マン 7人の悪魔超人編(1)』集英社〈集英社ジャンプリミックス 〉、2001年3月5日、ISBN 978-4-08-106006-1、152頁。 |
[P 152]
今回は特別企画としてバッファローマンに、その生い立ちから7人の悪魔超人編当時の思い出を聞いてみた。
悲しき超人一族
バッファローマンの一族はキン肉族に匹敵する権威を持っていたが、覇権争いの末に滅亡してしまう。
画像: バッファロー一族の回想
彼が悪魔超人となってまで力を求めた背景には、一族の滅亡という出来事が影響を与えている。
画像: 2000万パワーズ
正義超人として生まれ変わりモンゴルマンとタッグを結成する。
- ――まずは、あなたの超人としてのデビュー当時のお話を。
「オレは滅び去った超人一族の最後の生き残りだったわけだが、長い放浪の上に地球にやってきた。それからより強い力を求め、悪魔に出会い悪魔超人となったわけさ」
- ――悪魔超人としての力を手にした時のお気持ちは?
「それはもう最高だったぜ! 戦うたびに強くなっていくのが実感できるんだ。あの時のオレは早いところ6騎士のひとりになりたかったし、その日が来るのは、そう遠くないと信じていたからな。今にしてみると、恥ずかしい話ではあるが(苦笑)」
- ――6騎士になるためにアイドル超人に挑戦したのですか?
「つまりオレたち7人は、油断したところを正義超人に捕らわれてしまったわけだ。だからなんとしても悪魔にいいところを見せておく必要があったんだ……」
- ――そこでキン肉マンへの挑戦と一連の抗争に突入するわけですね。
「あの戦いのことは、今でも鮮明に覚えているよ……」
- (次号では、キン肉マンとの戦いについて語ってもらおう)
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オリジナル: 「バッファローマン特別インタビュー「激闘回顧録」」『キン肉マン 7人の悪魔超人編(2)』集英社〈集英社ジャンプリミックス 〉、2001年3月19日、ISBN 978-4-08-106012-2、162-164頁。 |
[P 162]
今回は、キン肉マンとの戦い、そしてバッファローマンの目から見た悪魔超人たちについて語ってもらう。
- ――さて、地球にやってきたアナタたち7人はキン肉マンに対してどのような印象を抱いていましたか?
「当時のオレたちにとって、キン肉マンは、名もない超人でしかない。だから簡単に勝負はつくと思っていたよ。これは他の6人もおなじ考えだったと思う。後にそれが間違いであることを思い知るわけなんだが(笑)」
- ――もし、あのとき、あなたと戦う前にキン肉マンが負けてしまっていたら?
「その質問はナンセンスだな(笑)。決まってるじゃないか、そいつを倒してオレがチャンピオンベルトをいただくだけさ。それが悪魔超人というものなのだから。オレたちは正義超人が互いをかばいあう姿を軽蔑していたしな。それにオレは、他の5人が相手になっても絶対に負けない自信もあった。でもそのオレたち悪魔超人が蔑んでいたハズの『友情』に破れ、オレは、そのすばらしさを知ることになったんだ」
- ――最終的にはキン肉マンと戦うことになるのですが、戦った時の感想はどうですか?
「奴の強さをオレなりに分析してみると、やはりナチュラルな筋肉の力と、プリンス・カメハメから伝承されたテクニックに裏打ちされたバランスの良さがあげられるな。だが、それだけならば、オレは奴に負けることはなかった。あの男のすばらしさは、『ピュアな姿勢』にあったんだと思う」
- ――『ピュアな姿勢』ですか?
「そう、『ピュアな姿勢』だ。キン肉王家の血筋の良さを割り引いても、あれだけ短期間のうちに超人として成長したのは、キン肉マンの心が純粋だったからに他ならないだろう。
[P 163]
画像: ステカセキング
ステカセキングとおこなったスパーリングは有効であったという。
画像: ブラックホール
ファイトスタイルの違いからブラックホールとはあわなかったみたいだ。
画像: ロビンマスクにアトランティスドライバーが決まる
アトランティスは、必勝を期してウォーター・デスマッチで戦いに挑む。
オレは今、若い超人を指導する機会もあるんだが、一番やっかいなのが、このピュアな姿勢を持たない奴に教えることなんだ。『ピュアな姿勢』があれば、教えを請うた時の飲み込みの速さにつながるし、実戦では、一度決意した戦いのモチベーションがさがりにくい。ピュアであるがゆえにキン肉マンは、自らの命を省みず、超人強度の限界を超えた戦いに踏み出してしまう。
オレたち超人にとって、自分の超人強度を超えるということは、相当な覚悟がいるんだぜ。だが奴はそれを、何のためらいもなくやり遂げる。まぁ、この『ピュアな姿勢』という言葉は、人間たちが使う『天然』という言葉と紙一重かもしれないがね(笑)」
- ――あなたから見た他の6人の悪魔超人についてもお聞きしたいのですが。
「あの時のオレたちにとって、ステカセキングを仲間にできたことの意味は大きい。アイツのおかげで『正義超人に負けない』という自信を絶対のモノにできたんだ。ミラクルランドセルを使えば、名だたる超人たちを相手にトレーニングができるんだぜ。ステカセキング自身は性格的にアスリートというよりは、コレクターといった感じで、宇宙中の超人のデータを集めるのに熱中していたよ。よもやダメ超人だった頃のキン肉マンのデータまで持っているとは思わなかったがな(笑)」
- ――ブラックホールはどうでしたか?
画像: ザ・魔雲天
ザ・魔雲天は、単なるパワーファイターではなかった!?
「実は、超人タッグに出場する時、パートナーとして真っ先に頭に浮かんだのがブラックホールだったんだ。パワーファイターであるオレにとっては、技巧派の超人がそのパートナーにふさわしいと考えていたからな。だが、どちらかというとソリはあわなかったよ。奴もオレと同じように復活したが、交流はまったくなかったし、タッグリーグ戦の時も、会話を交わすことはなかったな」
- ――アトランティスも技巧派超人だったとお聞きしていますが。
「アトランティスは、技より何より、コンディションの作り方が最高に上手い超人だったんだ。奴は練習嫌いで、超人ホイホイから脱出した直後は、かなりオーバーウェイト気味だったんだが、試合の時にはきっちり体を絞って、あのロビンマスクから勝利をもぎ取っている。
[P 164]
画像: モンゴルマンにデビルトムボーイをきめるスプリングマン
超人年齢四千歳というスプリングマンは、ベテランならではのインサイドワークに長けていたとバッファローマンは語っていた。
画像: 跳び上がるミスターカーメン
ピラミッドパワーデスマッチ選手権王者でもあるミスターカーメンは、そのテクニックを発揮することなく敗れてしまったという。
画像: ウォーズマンのスクリュードライバーがロングホーンを粉砕する
ウォーズマンが見せた自分の超人強度の10倍を超える力を引き出した攻撃は、心の底から驚かされたという。
意外かも知れないが、ザ・魔雲天は、超人格闘技に関する造詣が深く、関節技のオーソリティだったんだ。だが、奴はそうした技巧に走ることを嫌い、自分の巨体を生かしたスタイルにこだわる傾向があった。奴くらい練習と実戦とでファイトスタイルの変わる超人は珍しい。オレたち7人にとって、実戦的な練習はステカセキング、理論的な部分はザ・魔雲天、そしてメンタル的な部分はスプリングマンと明確な役割分担ができていたんだ」
- ――スプリングマンですか?
「あぁ、スプリングマンは、超人の中でも年齢が高いだけあって、悪魔超人界、正義超人界の事情に精通していたんだ。また多くの修羅場を潜り抜けてもいるので、要所要所で適切なアドバイスが得ることができたよ」
- ――それは初耳でした。では、6人の悪魔超人の中には実力を発揮できなかった者も?
「ミスターカーメンが、まさにそれだな。奴は、基礎がしっかりしたトータルバランスの良いファイターだった。相手が若い超人ということで、変則的な戦法で相手を幻惑する作戦にでたんだが、結果的には裏目になってしまった」
- ――その後、正義超人となってからも、キン肉マンとはタッグを組んでませんね。
「それは簡単な話さ。オレにとっての目標は、悪魔の力を借りることなく、自分の力でキン肉マン打倒を果たしたかったんだ」
- (次号に続く)
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オリジナル: 「バッファローマン特別インタビュー「激闘回顧録」」『キン肉マン 7人の悪魔超人編(3)』集英社〈集英社ジャンプリミックス 〉、2001年4月2日、ISBN 978-4-08-106018-4、180-184頁。 |
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バッファローマンにキン肉マンとの激闘を振り返ってもらうこのコーナー。今回は大増ページでお届けしよう。
画像: 悪魔に魂を売る前のバッファローマン
超人百科に記載されている昔の姿。悪魔超人となる前のバッファローマンは、超人強度100万パワーの超人であった。
- ――田園コロシアムにおける、あなたとキン肉マンとの戦いは超人史上に残る名勝負として語り継がれていますが…
「それは光栄だな。まぁ、オレにとっては悪魔超人時代の話ではあるし、負けた試合を誉められるというのは、複雑な心境だよ。ただ、あの戦いはオレの中でも、最も印象に残るものであるのは確かだけどな」
- ――どういったところが印象に残ったのですか?
「それまでのオレは、圧倒的な力で相手を叩き潰すことが最高の戦い方だと思っていたんだ。そうした考えを根本から覆したのが、キン肉マンとの試合だったんだ。試合が始まるまでは、超人強度で10倍の差があるだけではなく、キン肉バスターの攻略法も見つけていたオレが、まさか負けることになるとは思っていなかったよ」
- ――そうですね。ラスト3分間の攻防は名勝負にふさわしいものでした。
「あの3分間は、勝ち負けを超越した攻防で、オレに忘れていたアスリートとしての気持ちを呼び戻してくれたのさ。おそらくキン肉マンもあの3分間だけは、ミートのことを忘れていたのかもしれない。これは、実際戦った者同士でしか、理解できない感覚だと思うけどな」
- ――あのラストの3分間の攻防があなたの気持ちを変化させたのですね。
「そういうことになるかもな」
- (編集部注:この最後の攻防は次巻に収録されるので必読すべし!)
- ――この戦いは当初、タッグマッチとして始まりましたよね。
「あぁ、まさか、あそこでモンゴルマンが現れるとは思わなかったぜ」
- ――それ以前はラーメンマンの存在を知っていましたか?
「残虐超人でそういう名前の超人がいることぐらいしか知らなかったし、モンゴルマンの正体を知ったのも随分後の話だからな」
[P 181]
画像: ミートを分断し宣戦布告するバッファローマン
正義超人に挑戦を表明した頃は、顎にヒゲを蓄えていたがステカセキング戦終了後にヒゲを落とす。
画像: ヘル・ミッショネルズ戦の不揃いロングホーン
命の源にして最大の武器であるロングホーンは、復活後、自由に取り外しができるようになっている。
- ――モンゴルマンと戦った時の感想はいかがでしたか?
「あの時は、オレの狙いはキン肉マンただひとりだったから、モンゴルマンとはほとんど手をあわせていなかった筈だ。ただ、スプリングマンは、その実力を見抜いていたようだがな。そのあたりはさすがベテラン超人というところか(笑)。オレは逆に、スプリングマンが一目置くような実力者が、命をかけたくなるだけの価値がキン肉マンにあるのか興味が湧きあがっていたよ、あの時は」
- ――そのモンゴルマンとは超人タッグリーグ戦でチームを結成していますね。
「あぁ。正義超人として生まれ変わったとはいえ、オレの目標は打倒キン肉マンにあったし、タッグリーグ戦は、最初にやってきたチャンスだったからな」
- ――モンゴルマンをパートナーに選んだ理由はなんだったのですか?
「やはり、ベテラン超人としてのインサイドワークが魅力だったからさ。その正体がラーメンマンだったと聞いて、モンゴルマンの実力者ぶりが納得できたよ」
- ――力と技の2000万パワーズですね。
「あのチームに関しては、よくそういう言われ方をするが、それだとオレが力だけの超人みたいで、オレとしては心外なんだけどな。オレだって、その気になれば空中殺法や関節技を使うことができるんだぜ(笑)。ただ、そうした戦いは、オレの主義に反するから、普段は見せないようにしているだけさ(笑)。そこは誤解しないで欲しいな」
「あぁ、悪魔の制裁を受けたオレは、自分の命が残り少ないことが分かっていたからな。オレの命でキン肉マンの仲間が蘇るのならば、その方がよいと考えていたのさ」
- ――その時は、どんな気分でしたか?
「何度も死ぬというのは、超人だからこそ体験できることだが、はっきり言って次に生き返れる保証はどこにもないからな。ましてや、オレはあの悪魔を怒らせたわけだしな。だが、自分の命であの素晴らしい仲間が蘇るのだから、オレの心には何の迷いもなかったよ」
- ――その後、悪魔将軍の力で生き返り、キン肉マンたちの前に登場していますね。
「再び生きてキン肉マンたちと会えるとは思っていなかったし、失われたロングホーンも超人強度も復活していたのだから、悪魔超人に愛想をつかしていたが、あの時ばかりは悪魔に感謝したぜ」
- ――でもあなたは、すぐに正義超人の味方にならずに悪魔将軍の参謀になりましたが?
「オレはケジメを重んじる。それはたとえ相手が悪魔だとしてもだ。だからオレは、あの一戦だけは悪魔の側についたんだ」
[P 182]
画像: 頭髪を取り去るバッファローマン
正義超人入りの時は、頭を丸めて、正義超人として出直す決意の深さを見せる。
度重なる死を乗り越えて
バッファローマンは、悪魔の手により処刑され、その遺体は首を跳ねられるという無残な最期をとげている。悪魔将軍の力で蘇り、正義超人となってからも幾度となく死線をさまよっている。超人タッグの時は、昏睡状態のままロングホーンを切断されており、その生存は絶望視されていたが、残虐(ソルジャー)チームの一員として見事に復活する。
画像: 折れたアンテナに胴を貫かれるバッファローマン
悪魔の制裁により心臓を貫かれ絶命してしまう。
- ――アシュラマンとキン肉マンの戦いで、もしキン肉マンが負けていたとしたら?
「奴にかぎっては、そんな心配は不要だ。どんな逆境においても必ず勝利を掴んできたからな。それはオレとの戦いで実証済みだしな。それにいよいよ、危ない時には、オレが出なくても他の超人たちが助けに入っただろう」
- ――アシュラマンと戦うことは考えていなかったのですか?
「もちろん、そのことが頭の隅になかったと言えばウソになる。だが、あの試合だけは、オレは悪魔超人側だからな。ふたりの戦いに乱入するつもりはさらさらなかったよ。だが、何らかの形で試合の勝敗が付いた時点でオレは、正義超人の側に行くつもりだったから、場合によっては、オレとアシュラマンの戦いは、あり得たかもしれないな。だが、あの時は、キン肉マンが負けるという気がまったくしなかったのは事実だぜ」
- ――その後、キン肉マンが新必殺技を生み出す時間を稼ぐために悪魔将軍と一騎討ちをおこないますが…
「相手は悪魔6騎士のすべての長所を持つ悪魔将軍だ。正義超人としての初仕事としてはちょっと荷が重い気がしないでもなかったが、相手にとって不足はない。あの戦いは、正義超人として認めてもらうためのセレモニーであったと俺自身は受け止めているよ」
- ――キン肉マンと悪魔将軍の戦いが終了した時に作ったのが「友情の赤いハチマキ」だったわけですね。
「その通りさ。悪魔将軍との戦いで、オレは、かなり深手を負ったが、あのハチマキを巻いた途端、オレの胸は満ち足りた思いで溢れ、痛みすら消えていったのを、よく覚えているよ。その時にようやく理解したのさ。正義超人たちが、何故、友情のために命を投げ出すのかが。他人からみれば、あのハチマキは、タダの赤い布切れでしかないだろう。だが、オレたちにとっては、ともに苦楽を乗り越えた証であり、かけがえのない勲章だったのさ。
[P 183]
画像: 立方体リングを支えながら赤いハチマキを締める
3万人以上の観客めがけて落下する立方体リングを支える時、赤いハチマキがバッファローマンに力を与えた。
オレ自身に関して言わせて貰えば、その価値は宇宙超人ヘビー級タイトル(注:超人オリンピック優勝者に与えられるタイトル)よりも重いものだと断言できる」
「完璧というだけあって奴らは、本当に手ごわい相手だったぜ。油断したとはいえ、あのイキのいいウルフマンとブロッケンJr. が何もできないまま負けてしまったんだからな。正義超人との戦いは避けたかったというのは本音だが、あのふたりとの戦いが楽しみでもあったというのもまた本音だ。それを完璧超人の奴らは、ブチ壊しやがったんだ」
- ――それであの番外戦に突入したのですね。
「あぁ。どうにかしてケジメをつけようとするブロッケンJr. をフォールしながら、オレの頭の中は怒りが渦巻いて、どうにもとまらなかったんだ。この気持ちは、おそらくモンゴルマンも同じだったと思うぜ」
- ――純粋にリーグ戦を勝ち抜くことを考えたら、不戦勝に近い形で2回戦に進出できたのですから、あえて番外戦を行う必要はなかったのではありませんか?
「それはケジメさ。ブロッケンJr. たちがケジメをつけた以上、オレたちも何らかの形でケジメをつけなければならないからな。
オレたちは、優勝カップが欲しいのではなく、実力で収めた勝利が欲しかったのさ」
- ――2回戦では、完璧超人のヘル・ミッショネルズとの戦いとなるわけですね。
「ヘル・ミッショネルズは確かに強かった。それは素直に認めよう。その強さは、スクリューキッドとケンダマンのコンビとは比べ物にならない程だ。さすがは、ロビンマスク組を破っただけのことはあったぜ。負けはしたが、モンゴルマンとの友情の素晴らしさを再確認しただけでもオレにとっては意義のある戦いであったと思う。少なくとも勝負自体は、何の駆け引きもなく、持てる力を出し切り、オレたちが負けた。それだけの話さ」
- ――あの時、あなた方正義超人は、友情パワーを奪われていましたが?
「もし、友情パワーが失われていなかったとしても、おそらく結果は同じだっただろうな。それだけ奴らの実力は、飛び抜けていたのさ。だが、もし、もう一度戦ったら、2度も負けるような醜態はさらさないといっておこう」
画像: ロングホーンの埋め込まれたキン肉マンの左腕
バッファローマンのロングホーンは、ドクター・ボンベの手によりキン肉マンの左腕の骨として移植される。
- ――結果的に、リーグ戦はキン肉マン組が優勝するわけですが…
「残念ながら、オレはベッドの上で生死の境を彷徨っていたんで、その瞬間を見ることが出来なかったがな(笑)」
[P 184]
画像: Vの陣形
超人の垣根を越えて結成された残虐(ソルジャー)チーム「超人血盟軍」。この時点でロングホーンは、失われたままである。
- ――超人タッグで重傷を負ったあなたは、第一線を退いたという噂もあったのですが、残虐(ソルジャー)チームの一員として、その姿を現した時は大変驚かされました。
「確かに、ドクター・ボンベの処置のおかげで辛うじて生き延びることができたが、あの時のオレは、命の源ともいうべきロングホーンを失っていた。超人として充分な活躍ができない以上、表舞台に立つべきではないと考えていたし、オレのロングホーンが、キン肉マンの腕に埋め込まれたことに関しては、これっぽちも後悔はしていなかったんだ。
キン肉マン・ソルジャーから誘いを受けた時は、正直戸惑ったのは事実だ。その戸惑いは、主にふたつの疑問があったからだ。ひとつは、キン肉マンの敵となることへの疑問。もうひとつはロングホーンなしでどこまで戦えるかという自分の力に対する疑問だ」
- ――それでもあなたは残虐(ソルジャー)チームの一員としてリングに立ちましたね?
「キン肉マン・ソルジャーの掲げる理想は、正義超人も悪魔超人もない理想の超人世界だ。ソルジャーから説明を受けた時、そこには、悪魔超人と正義超人が同じテーブルで話をしている。その事実に気がついた時、オレはソルジャーの掲げる理想に賭けてみようと思ったんだ。そもそも、オレの一族も王位争いで滅んでいるし、こんなバカげたことは、とっとと終わらせた方がいいと考えていたしな」
- ――キン肉マン・チームでファイトすることは考えなかったのですか?
「もちろん、真っ先に考えたさ。そして奴がオレを心配して探していることも知っていた。だが、オレは、ソルジャーと奴が集めてきた仲間と出会ってしまったんだ」
- ――でもロングホーンは、敵であるキン肉マン自身の手であなたの元へ返されましたね。
「あの瞬間は、今でもよく覚えているよ。敵チームの人間に助け舟を出すなんて、いかにもキン肉マンらしいじゃないか(笑)。だからこそオレは何の遺恨もなく、残虐(ソルジャー)チームの一員として奴と再び戦えることを確信したんだ。まぁ結局は、知性(フェニックス)チームに敗れ去ってしまったがな(苦笑)。思い起こせば、キン肉マンとの戦いがなかったら、オレの超人としての一生は、せいぜいが悪魔将軍の鎧の一部で終わっていただろうな。
キン肉マンは、オレにとって超えることのできない目標なのかも知れないな。これまでも、そして、これからも……」
- ――最後に一言をおねがいします
「若い超人たちには、是非とも、昔の超人の試合を見て欲しい。オレが今まで語ってきたことの意味が分かって貰えるハズだ。悪魔超人と正義超人とを渡り歩いたオレの意見は聞いておいて損はないと思うがな(笑)」
- ――本日はどうもありがとうございました。
- (某年某月 ヘラクレスファクトリーにて)