Copyrighted:GC版攻略本 ゆでたまごインタビュー

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オリジナル: Vジャンプ編集部「ゆでたまごインタビュー」『キン肉マンII世 新世代超人VS伝説超人 完璧 ファイティングマニュアル』集英社〈Vジャンプブックス〉、2002年12月6日、ISBN 978-4-08-779207-2、206-209頁。

[P 206]

今回のゲーム制作には完全監修体勢で臨まれた原作者・ゆでたまご先生。そのゲームについての印象から原作における裏話まで、内容の濃いインタビューに!

目次

3Dの『キン肉マン』ゲームについて

――まずは今回のゲーム化のご感想からお聞かせください。

ゆでたまご先生(以下、ゆで)「かつてファミコンで『マッスルタッグマッチ』という作品がマンガのキャラクターゲーム第1号として出たんですが、あれ以来ゲームの一般的なスタイルは変わっていく中で『キン肉マン』のゲームはほとんど出ていなかったんですよね。でも他方では、登場キャラが『キン肉マン』の超人のような動きをする格闘ゲームがどんどん出てくる。ならその元祖である『キン肉マン』でいいゲームが出てくれないものか…とは以前から常々思っていたんです。そこで今回このお話があって、ハードもゲームキューブで行くと聞いたとき、ようやく新しい方式で『キン肉マン』ゲームの決定版が出せるんじゃないか、と。そういう期待が大きかったですね」

――実際、ゲームをご覧になって、まずグラフィック面ではどう思われました?

ゆで「ビックリしましたね。僕らは普段マンガで描いているわけですから、要は二次元で表現しているわけですけど、今回のゲームでは3Dなので、『キン肉マン』のキャラが現実にいたらこんな感じなのかな、と」

――技への入り方なども、3Dで再現されていますよね。

ゆで「技の入り方のモーションなんかは、逆にこっちが勉強になったところも多いですね。マンガにはそこまですべてを描くわけではないし、考えていない場合もある。もちろんそれを細かく描いていたら、それだけでページがなくなりますから(笑)。その点で、実際に超人がいたら、こういう技の入り方をするんだろうな、と改めて思った部分も多かったです」

――今回は完全監修ということで、先生から特に開発スタッフに要望された点はどのあたりでしょうか?

ゆで「やっぱりまずはキャラクターを似せることが第一条件でしたよね。それと超人の頭身をきっちり再現してもらうこと。それが結果的にとてもリアルに表現されるようになったと思います。サンシャインなんかも大きくて迫力ありますし。スタッフがよくがんばってくれましたね。あと、人間のできるような技はいろんなゲームにありますけど、例えばサンシャインだといきなりコマに変身したりだとか、マッスル・ミレニアムなんかも人間の動きではないですし、そのあたりがうまく表現されていると思いました。そういった超人ならではの動きというのは、他のゲームにはない部分でしょうね」

先生ご自身の作業について

――先生ご自身の作業で、特に力を注がれた点などは?

ゆで「まずキャラを似せるという点で、顔や体格のモデリングのチェックをかなり行ったんですが、そこでけっこう修正してもらいました。マンガやアニメに近い見せ方で、なおかつ実写で見る感じの3Dで表現しなければならない。これは開発のスタッフもけっこう大変だったと思うんですが、結果的にとてもうまくいったのではないかと思います」

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――輪郭線もマンガのように太いですが、このあたりの処理に関しては?

ゆで「これはOKですね。とてもいいと思います」

――ほかには新規のタッグ名が多数発表されてますが、この作業も先生が?

ゆで「オリジナルで名前のあるものも当然あるんですが、これだけキャラがいると組み合わせが幾通りも考えられますから。そうなってくると名前の付いてないタッグが山ほどあるわけで、これを1つ1つ考えていくのはさすがに苦労しました(笑)」

――それを考えられるなかで、実際に原作でも組ませたら楽しそうなタッグ…というのも思い浮かばれたりなどは?

ゆでケビンロビンの組み合わせは面白そうだと想いました。"ダイナスティーズ" というタッグ名にしたと思いますけど、マンガの中ではありえないと思いますし(笑)。とにかく親子コンビはこのゲームならではのものなんで、見ものですよね。万太郎スグルのコンビネーションもなかなかすごいと思いました。マッスル・コラボレーション、あの技はマンガでも使えるなと思いましたね(笑)。今回は特にそういうところで新鮮味が多かったです」

――新世代超人(ニュージェネレーション)と伝説超人(レジェンド)が同列に戦うという設定はありませんでしたからね。

ゆで「でも実際に旧作で、王位争奪編のあと、もし『キン肉マン』をそのまま続けるという選択をしていたなら、未来超人編というのをやろう、と考えていたことがあったんです。未来の超人界がガタガタで、スグルたちが向こうに行って戦うというのを。だから今回のゲームの設定に関しては、偶然ですけどそれに通じるものがあると、ひそかに思ってはいました(笑)」

――そのほか大きなところとしてゲーム用の超人募集も行われましたが、この選考作業については?

ゆで「これはゲーム用というよりもむしろ原作に出す超人を選ぶような感じで、ゆでたまごっぽい超人、僕らがオリジナルで考えそうな超人、というのを基準に選びました。ゲーム用に、ということは特に意識しませんでしたね。というのはそれを基準に選ぶと、ゲームのなかでかえって原作に出ている他の超人との違和感が強くなると思ったんです」

――実際、そのうち何体かは映画やアニメにも出ることになりました。

ゆで「もともとゆでたまごっぽいキャラクターということで選んでたんで、それもOKしたんです。だからカエルーンとかは、そういう意味でもよかったんじゃないですかね。けっこう好きなんですよ、カエルーン(笑)。特にあのゲームでの動きは怖かったですよね。ペタペタ寄ってきて(笑)。チワワマンとかもけっこう好きですしね」

ゆでたまご先生のスタイルについて

――さっきのお話と関連する質問なんですが、超人募集というイベントは『キン肉マン』ならではのものだと思います。そこには先生なりのお考えがあると思うのですが?

ゆで「最初『キン肉マン』の連載が始まったときに、当時の担

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当編集の中野さんと相談して、できるだけ読者が参加していけるマンガにしていこう、という話になったんです。それで超人募集が始まって、できるだけ小さな子供のハガキを選んでそれを動かす、ということをしていました。それは今でも変わっていないです。最近では週プレ連載なので大人からのハガキが多いですし、大人の描いた作品は確かにうまいんですが、だからといってそればかり選んでたら、小さな子供が参加できなくなりますしね。ただ大人にはないものとして、子供のハガキはアイデアがすごい!本当に突拍子もないものを送ってきますから、そういった子供の発想力のすごさはいまだに感じますね」

――確かにVジャンプに来るハガキを見ていると、子供の発想力の恐ろしさは感じられます(笑)

ゆで「でも超人募集に応募してくれる大人の人は、昔の子供の発想に戻って考えた超人を送ってくれる人が多いですけどね。電話の超人テルテルボーイとか、靴の超人MAXマンとか。そういったものを採用することが多いです。一般的に大人の人の作品はデザインが綺麗なものが多いんですけど、それよりアイデアの方を重視して選ぶようにはしていますね」

キン消しの思い出

――今回のゲームでは、先生も完全監修されましたキン消しモードが搭載されていますが、それについてのご感想は?

ゆで「キン消しは旧作のアニメが始まるときに、最初に出るおもちゃのハズだったんですが、実際はなぜかアニメが始まる前から出まわってたんですよ(笑)。僕も知らないうちに出てて、ある日何も知らずにスーパーに行ったら、前に子供が群がってた。で、見たら『キン肉マン』のグッズが売ってて、しかもほとんど空になってる(笑)。うれしかったですけどね。それが今回、ゲームですべて見られるわけですけど、並べて見なおすとこれだけキャラクターがいたのか、というのが正直な感想でしたね。しかも全超人にそれぞれバックボーンがあって」

――ほんの一瞬しか原作に登場していない超人も山ほどいます…。完璧超人が集団で地球に向かってくるシーンとか(笑)

ゆで「いましたよね、アモイマンとか(笑)。超人募集で発表した超人は、なるべくどこかで出そうとしていたんですよね。扱いはちょっと小さかったですけど(笑)」

ゲーム、アニメとマンガの違いについて

――原作のマンガでの超人の見せ方と、ゲームやアニメでの超人の見せ方の、大きな違いは何でしょう?

ゆで「さっきの話にもありましたけど、技のモーションの入り方なんかも含めて、いろいろ多面的に見せられるのがアニメやゲームでは違いますよね。あとは旧作で特にそうでしたけど、アニメ用の色の付け方も原作とはかなり違ってて、これも勉強になりました。その関係でゲームやアニメと原作では、お気に入りのキャラも自然と違ってくるんですよ。例えばゲームでは、ハンゾウがとてもかっこいい。色や形もそうですし、技を出す場面も原作より迫力が出ている気がする。このよさは逆に原作

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でも活かす方向に持っていきたいな、と思いましたね」

――その意味で考えると、例えばゲームに出ていない超人で動かしてみたら面白そうなキャラは?

ゆでバリアフリーマン、これは多分すごいことになる!横におじいちゃん付いてるし、変形もできて…原作でもやりましたけど、ゲームだとさらに発想が膨らんでいきますよね(笑)。あとは変形ということでイリューヒンかな」

――では原作の方でのお気に入りのキャラクターは?

ゆでラーメンマンですね。オリジナルで主役に立てたこともあるくらいですし(笑)。キャラクターとして、あれだけ釣りあがった目で、ドジョウヒゲで、髪型も特殊で…普通はあれだけパーツがシンプルだとブサイクになるハズなんですけど、それでも男前でしょ?(笑)。しかも子供がマネして描きやすい、これがマンガの基本だと思うんですよ」

――でも、最初は残虐超人でしたよね?(笑)

ゆで「はじめは人気が出るとはまったく思ってなかったんです。でも最初に出したときに意外と読者の反応がよかったんですよね。似顔絵がたくさん送ってこられたり。それでどんどん扱いを変えていった気がします」

――やはり読者の反応は大きいですね(笑)

ゆで7人の悪魔超人編でも、最初はバッファローマンをリーダーにしようと思ってなかったんです。たまたま真ん中に描いただけで(笑)。で、これも読者の反応がよかったのと、あとはたまたま最初にミートくんの頭を持ってたんで、結局そのままリーダーにした。だからあのとき、もし別の超人が読者に支持されていたら、そっちをリーダーにするように方向転換していたかも知れないですね(笑)」

――ほかに予想以上に反響が大きかった超人は?

ゆで「もっとも作者以上に読者に支持されてたのが、ウォーズマンでしょうね。旧作を描いてた当時は、そこまで人気のある超人だとは思ってなかったんです。最近になってかませ犬のような扱いが許せなかった、とかよく言われるようになって、悪いことしたなぁと(笑)。あとはアシュラマンもはじめは捨てキャラのつもりでした。たまたま試合中に阿修羅バスターという技を出したんですが、あれがすごい反響で。それで方向修正したんです。そういうのはほかにもたくさんあるんですよ。それぞれ番外編を描いていきたいくらいの気分ですね(笑)」

ファンへのメッセージ

――今後の原作の展開がますます気になりますが?

ゆで「週プレに関しては悪魔超人編で、昔からの読者も新しい読者も楽しめる展開を目ざしてます。意外な超人も登場させる予定なんで、楽しみにしていてください。Vジャンプでは、超人募集で選んだ小さな子供のアイデアをたくさん出していきたいと思いますので、こちらも楽しみにしていてくださいね」

――最後にゲームのユーザーへのメッセージを。

ゆで「新旧の超人が出ているので、親子で遊べるゲームになってると思います。うん、親子でワイワイ言いながら遊んでもらえればうれしいですね」

関連項目

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